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気候変動で地域の買い物が難しくなる?:お店への影響と、高齢者や移動が難しい人への不公平

Tags: 気候変動, 環境正義, 地域生活, 高齢者, 買い物, 不公平

気候変動は、私たちの毎日の買い物にも関係しています

地球の気候が変わってきているという話は、多くの方がご存知かと思います。雨の降り方が激しくなったり、夏が異常に暑くなったり、台風が強くなったりしています。

こうした気候の変化は、遠い場所だけの問題ではありません。実は、私たちの身近な暮らし、例えば毎日の買い物にも影響を与え始めています。そして、この影響が、住んでいる場所や体の状態などによって、公平ではない形で現れているのです。

なぜ、気候変動が買い物のしやすさに関係してくるのでしょうか。そして、なぜ特定の人がより困るのでしょうか。ここでは、その理由を分かりやすくご説明します。

異常気象が地域のお店に与える影響

気候変動によって増えている異常気象は、地域の小さなお店やスーパーにとって大きな課題となっています。

例えば、突然の豪雨や台風で道路が冠水したり、土砂崩れが起きたりすると、トラックでお店に商品を運ぶことが難しくなります。 (図やイラストのイメージ:水没した道路で立ち往生しているトラック、あるいはお店の空っぽの棚)

また、記録的な猛暑が続くと、お客さんが暑さを避けて外出を控えるようになり、お店の売り上げが減ってしまうこともあります。お店の建物自体が、洪水や強風で被害を受ける可能性も高まります。

こうした影響が重なると、お店を続けるのが難しくなり、残念ながら閉店してしまうお店も出てきます。

なぜ、お店がなくなると困る人がいるのでしょう?

地域にお店が少なくなったり、品物が手に入りにくくなったりすると、多くの人が不便を感じます。しかし、この不便さは全ての人にとって同じではありません。特に困ってしまうのが、次のような方々です。

このように、気候変動が地域の物理的な環境や経済に影響を与えることで、もともと移動手段や情報、経済力に限りがある方々が、日々の買い物という暮らしの基本が難しくなるという形で、より大きな影響を受けてしまうのです。

買い物の不公平も「環境正義」の問題です

気候変動の影響が、地域のお店や物流を通して、特定の層、特に高齢者や移動が難しい方々の「買い物のしやすさ」という形で現れる不公平。これもまた、「環境正義」という考え方の中で考えられるべき大切な問題です。

環境正義とは、環境問題による悪い影響が、社会的に弱い立場にある人々に偏って現れる状況を問題視し、全ての人々が公平に、健康で安全な環境で暮らせるようにしよう、という考え方です。

日々の買い物ができるかどうかは、健康で文化的な生活を送る上で非常に重要です。気候変動によってこれが脅かされる状況を放置することは、不公平を広げることにつながります。

地域でできること、考えること

この問題を解決するためには、気候変動への対策を進めることはもちろん大切です。同時に、地域の中で、高齢者や移動が難しい方々が安心して買い物を続けられるような工夫も必要です。

例えば、地域のお店を支援する取り組み、乗り合いでの買い物支援、地域の拠点での定期的な販売会の実施など、様々な可能性があります。

まずは、気候変動が私たちの身近な暮らしに、そして特定の人々に不公平な形で影響を与えているという事実に気づくことが大切です。そして、地域の中で、誰もが安心して暮らせるための方法を一緒に考えていくことが求められています。